クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
やんわりと注意を受けながら、湯川さんは歩行器を使ってゆっくりと離れていった。
「祖母はああいった物を使わないけど、今後必要になったりするのかな」
湯川さんの後ろ姿を見送りながら遥人さんが静かに呟く。
「歩行補助器ですか? そうですね……宝生さんは脳梗塞の後遺症で、左半身に軽度の麻痺がありますよね。でも、リハビリを続けていれば、今よりもっとよくなるんじゃないでしょうか。私にも、そのお手伝いをさせていただけたら嬉しいです」
医師でもなければ、看護師でもない。断定的な発言はできない立場だけれど、これくらいなら言ってもいいだろう。
「ありがとう。白峰さんのような方がいる場所なら安心だ」
遥人さんは目を弓なりに細めて笑う。間違いなく今日一番の笑顔だった。
不誠実な男性と別れたばかりだからだろうか。こんな人と結婚できたら幸せだろうなと、理想と現実の違いを実感して、胸を焼き焦がすような痛みに襲われた。
「祖母はああいった物を使わないけど、今後必要になったりするのかな」
湯川さんの後ろ姿を見送りながら遥人さんが静かに呟く。
「歩行補助器ですか? そうですね……宝生さんは脳梗塞の後遺症で、左半身に軽度の麻痺がありますよね。でも、リハビリを続けていれば、今よりもっとよくなるんじゃないでしょうか。私にも、そのお手伝いをさせていただけたら嬉しいです」
医師でもなければ、看護師でもない。断定的な発言はできない立場だけれど、これくらいなら言ってもいいだろう。
「ありがとう。白峰さんのような方がいる場所なら安心だ」
遥人さんは目を弓なりに細めて笑う。間違いなく今日一番の笑顔だった。
不誠実な男性と別れたばかりだからだろうか。こんな人と結婚できたら幸せだろうなと、理想と現実の違いを実感して、胸を焼き焦がすような痛みに襲われた。