クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「自転車なんだけど、急ブレーキをかけたせいでワイヤーが切れていたんだ。全体的に傷もついていたし、新しいものを用意させてほしい」

「修理したら使えますよね? さすがに新しいものをいただくのは申し訳ないです」

「今日一日、白峰さんの時間を奪ってしまった。これくらいはさせてほしい」

「あの自転車気に入っているんです。オレンジ色ってあまりないですし」

「それなら同じものを」

「でも、自転車がないと明日から通勤できないです」

 だからあの自転車を修理に出せばいいと言いたかったのに、遥人さんはとんでもない提案をする。

「新しい自転車を手配するまで、俺が送迎する」

「……え?」

「白峰さんが診察している間、ロイヤルライフに確認を取ってみたんだ」

 遥人さんがなにを言いたいのか予測できす、私は黙って瞬きを繰り返す。
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