クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
動揺している私の耳に、「はるくん、あからさま」と、とても小さな呟きが届く。
伶香さんがおかしそうに目を細めて、口元に手をあてていた。そんな伶香さんから顔を背けて、決まり悪そうにしている遥人さん。
状況がよく分からない。かといって夫婦のやり取りに口を挟むのはよくないだろう。居心地の悪さを感じて視線をさまよわせる。
結愛ちゃんは少し前から、待合室のテレビにくぎ付けになっていた。
先に口を開いたのは伶香さんだ。
「申し訳ないけれど、送り迎えをさせてもらってもいい? はるくんが、どうしてもって言っているから」
「えっ、でも」
「今日だけ、ね? 嫌だったら、明日からのお迎えは、無視してもらっていいから」
無視だなんて。とんでもない発言をする伶香さんを呆然と見つめる。
「連絡先の交換はしたの?」
「まだだ。聞いていい?」
急に身を乗り出した遥人さんの手の中にはスマートフォンがある。
伶香さんがおかしそうに目を細めて、口元に手をあてていた。そんな伶香さんから顔を背けて、決まり悪そうにしている遥人さん。
状況がよく分からない。かといって夫婦のやり取りに口を挟むのはよくないだろう。居心地の悪さを感じて視線をさまよわせる。
結愛ちゃんは少し前から、待合室のテレビにくぎ付けになっていた。
先に口を開いたのは伶香さんだ。
「申し訳ないけれど、送り迎えをさせてもらってもいい? はるくんが、どうしてもって言っているから」
「えっ、でも」
「今日だけ、ね? 嫌だったら、明日からのお迎えは、無視してもらっていいから」
無視だなんて。とんでもない発言をする伶香さんを呆然と見つめる。
「連絡先の交換はしたの?」
「まだだ。聞いていい?」
急に身を乗り出した遥人さんの手の中にはスマートフォンがある。