クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「お姉さんにも迷惑をかけてしまったね。ご挨拶ができればいいんだけど」

「いえ、おかまいなく!」

 全力で否定されては引くしかない。

「次は金曜日が休みなんだよね」

「はい。そうです」

「せっかくの休日なのに、肩の痛みがあったらゆっくり休めないね」

「そうでもないです。身体が自由だと動き回ってしまうので、逆にゆっくり過ごせます」

 恋人とは外で遊ぶ方が多いのか。

「白峰さんはアクティブなのかな?」

「うーん。どうでしょう」

 自分でもよく分からないといった様子で首を捻る。その仕草が可愛らしい。

「は……宝生さんは?」

 突然ドンッと、胸を力強く殴られたような息苦しさに襲われた。

 どうして名字? この前まで遥人と呼んでくれていたはず。しかも今、遥人と言いかけなかったか。
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