クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい

　お風呂に浸かって気を落ち着かせたら、明日からの送迎は必要ないと連絡を入れよう。

　今日お詫びの気持ちは受け取った。自転車は明日届く。

　予定では日曜日までのあと二日、送ってもらう予定だったけれど。これ以上かかわる必要はない。

　会う機会があってもそれは施設の中で。ふたりきりにならなければいいし、むしろふたりきりになる方が難しいだろう。

　だから心配はいらない。

「とりあえず中に入ろう。ゆっくり話聞くから」

　促されて部屋に入り、リビングのソファで姉が入れた冷たい麦茶を飲む。

　姉に話を聞いてもらっても、胸を焼き焦がすようなヒリヒリとした痛みは広がる一方で。身体の奥の方から感情の荒波が押し寄せてきて、押し潰されそうになる。