褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
「お前が変なこと言ったせいで笑われたじゃねーか」

「変なことって……本当のことじゃん」



この、【西尾くんから話聞いたよ~】は、先程声に出しながら書いたメッセージのことを指している。

昨夜、社会の宿題をしている時に、『雪塚さんと旅行したいなぁ』と口にしていたのを思い出して伝えたんだ。


ちなみに送ったのは、
【実は景斗がね、昨日、『雪塚さんと一緒に旅行したいなぁ~』って言ってたよ☆】
という文と、ニヤリ顔の顔文字。


送った瞬間、景斗に今まで見たことがないくらいの眼光で睨まれた。

あれは景斗パパがいなかったら完全にブチギレていたと思う。



「確かに言ったけどさ……それでも言い方っつーもんがあるだろ」

「はーい」



ブツブツ言い訳を吐きながらも、少しやりすぎたと反省してお互いに謝り合った。




「あれ? もう帰るの?」

「いや、直前になってバタバタしないように先に準備してただけ」



着替えと歯磨きを済ませ、荷物を片づけていると、景斗が棒アイスを舐めながら部屋に戻ってきた。


清水家には何度も遊びに来ているけど、泊まるのは初めて。

借りるのは図々しいと思い、枕とタオルケットは家から持ってきたのだ。
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