褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

それにしても、朝ご飯食べたのにアイスまで食べるのか。本当食いしん坊だな。



「なぁ、夜中に実玖と何話してたんだ?」



ドカッとベッドに座った景斗から直球で尋ねられた。

突然の問いかけに、バッグのチャックを閉める手が止まる。



「え、なんで知って……」

「俺の耳を欺けるかと思った?」



「バレバレなんだよ」と口をモゴモゴさせる景斗。

全員2階で寝ているから、小声じゃなくても大丈夫だろうと思ってたけど……廊下にまで聞こえていたのか。

完全に深夜の静けさをナメてた……。



「で? 何話してたんだ?」

「そ、それは……」



言えない。雪塚さんの話をしていたなんて絶対言えない。言ったら問い詰められる。

やっと機嫌が直ったのに、また喧嘩して機嫌を損ねられるのはこりごりだ。



「ひ、昼間の話してて……」

「昼? 宿題の話?」



うんうんうんと何度も不自然に頷く。

宿題の話はしていないけど、昼間の話なので嘘ではない。
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