褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
溢れ出した想い
練習が始まって約1ヶ月が経った。

最初は苦戦していたウォーキングも、毎日練習を積み重ねたおかげで、1人で歩けるようにまで進歩。

美優紀さんに褒められることも増えて、以前より少し自信がついた気がする。


しかし、変わったことが1つ。



「あ、清水兄妹だ」

「あぁ、西尾先輩と噂になってる子ね」



それは生徒達……特に女子達にヒソヒソ噂されるようになったこと。


先月、西尾先輩にウォーキングの補助をしてもらった時、周りに他の生徒達がいたのだけど……。

どうやら、その光景を見た人が私達のことを他の人達に話したようで。

それで学校中に噂が広まってしまったらしい。


しかも……。



「清水さんが抱きついてたって聞いたんだけど、噂じゃ西尾くんも背中に手回してたらしいよ」

「マジ⁉ じゃああの2人付き合ってるの⁉」



ドクンと心臓が音を立てる。

もう何回、「違います! 付き合ってません!」と心の中で叫んだだろうか。



「いや、西尾くんが否定してたから違うと思う。転びそうになったのを助けただけなんだって」

「そうなんだ。でも怪しくない? いくら仲良しだからって、普通人前で抱きしめ合うかな」
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