褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
両手を握りしめる温もりと、優しい笑顔に涙が溢れ出す。



「ありがとう、ございます……っ」

「俺のほうこそ。好きになってくれてありがとう」



泣き止まない私を見かねて、先輩はハンカチを差し出してきた。

少し恥ずかしいなと思いながらも、ハンカチを受け取って、涙を拭って。


そして、数時間前と同じように、優しく背中を擦ってもらった。





「どう? 少し落ち着いた?」

「……はい」



数分後、ようやく涙が引いた。

「ボロボロ泣いてしまってごめんなさい」と深々と頭を下げる。


おめでたい両想いの瞬間を、泣き腫らした目で迎えるなんて思ってなかった。



「時間取らせちゃってすみませんでした。渡したい物があったんですよね?」

「うん。ちょっと目瞑ってもらえる?」



不思議に思いつつも、目を瞑る。

「袖まくるね」という声と同時に、右の手首にヒヤッとした感触が広がった。



「デザインを提供してくれたお礼だよ」

「ありがとうございます……!」



目を開けると、手首に花のモチーフがついたブレスレットがついていた。


花びらがキラキラ光っているデザインでとても綺麗。

お店に売ってあるブレスレットはサイズが合わない物が多いのに、これは珍しくピッタリだ。
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