褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
「景斗さん! お久しぶりです!」
「可南子ちゃん久しぶり! と、君は確か実玖のクラスにいたよね?」
「はい。須川 湊士郎です。よろしくお願いします」
「実玖の兄の景斗です。よろしくね」
可南子と須川くんに挨拶し始めた兄。
まだ頭が混乱してるけど……とりあえず、お兄ちゃんと須川くんがにこやかに挨拶し合っててホッとした。
中学時代の失恋がきっかけで男子が苦手になってから、これ以上傷つかないようにって過保護になったんだよね。
どのくらいかというと、失恋したと打ち明けた時に、『誰だそいつ! 一発ぶん殴ってやる!』と怒鳴ったほど。
本当に殴りに行きそうな勢いだったので、怖くて誰にフラれたかは言えなかった。
「おーい、俺も仲間に入れてよ~」
「あぁ、ごめんごめん」
「はじめまして! 西尾 東馬です!」
先輩も可南子と須川くんに挨拶を交わした。
話を聞くと、兄達は私達と同じく、これからバスに乗って帰るとのこと。
しかも、帰り道が同じなため、全員同じバスに乗るという。
偶然が重なりすぎてちょっと怖い。
「ってか実玖、その服初めて見るんだけど、買ったの?」