褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
「あー……うん。一昨日買ったの」
「へぇ、似合うじゃん。なぁ東馬」
「へ? 何?」
バス待ち中、私の服装をサラッと褒めた兄は、今度は隣にいる西尾先輩に感想を求め始めた。
ちょっと、そこで先輩に聞くの⁉
それに先輩、須川くんと話してたから全然聞いてなかったみたいだし……。
「実玖の服。似合うよなって話」
「あぁ、うん! 可愛いね!」
ま、また可愛いって……。
やっぱ西尾先輩、女慣れしてるよね⁉
チャラくはないけど、女性の扱い方が上手いというか……。
悪く言ったら女たらしだけど、須川くんとも楽しそうに話してたから、天然人たらしなのかも。
「あっ……その……」
褒められたら否定しないと決めたものの。
ふいうちの褒め言葉に慣れていないため、上手く返せず言葉が詰まった。
「東馬……また言いやがったな」
「なんだよその顔。事実を言っただけだよ」
「お前の言い方は軽々しいんだよ」
口論し始めた2人。
先輩は本心で口にしてるらしい。でも、私にはどうしてもお世辞に聞こえてしまう。
本気にせず受け流せばいいだけなんだけど、中学時代の好きだった人が頭に浮かんで、上手く受け流せないんだ。
「へぇ、似合うじゃん。なぁ東馬」
「へ? 何?」
バス待ち中、私の服装をサラッと褒めた兄は、今度は隣にいる西尾先輩に感想を求め始めた。
ちょっと、そこで先輩に聞くの⁉
それに先輩、須川くんと話してたから全然聞いてなかったみたいだし……。
「実玖の服。似合うよなって話」
「あぁ、うん! 可愛いね!」
ま、また可愛いって……。
やっぱ西尾先輩、女慣れしてるよね⁉
チャラくはないけど、女性の扱い方が上手いというか……。
悪く言ったら女たらしだけど、須川くんとも楽しそうに話してたから、天然人たらしなのかも。
「あっ……その……」
褒められたら否定しないと決めたものの。
ふいうちの褒め言葉に慣れていないため、上手く返せず言葉が詰まった。
「東馬……また言いやがったな」
「なんだよその顔。事実を言っただけだよ」
「お前の言い方は軽々しいんだよ」
口論し始めた2人。
先輩は本心で口にしてるらしい。でも、私にはどうしてもお世辞に聞こえてしまう。
本気にせず受け流せばいいだけなんだけど、中学時代の好きだった人が頭に浮かんで、上手く受け流せないんだ。