褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
先に最寄りのバス停に到着した私と兄と可南子は、須川くんと西尾先輩に挨拶してバスを降りた。



「まさか実玖達が猫カフェに行ってたとはな」

「そっちこそ。犬カフェに行ってたなんて知らなかった」

「ちげーよ。昼飯食ってから行ったんだよ」

「アハハ! さすが兄妹ですね!」



どうやら兄は、西尾先輩と昼食を食べた後、犬カフェに行ったそうだ。

先月にハピの絵を見てから犬と触れ合いたくなり、1人で行くのは寂しいと思って西尾先輩を誘ったんだって。



「つーか、あんなにハピ大好きだったのに猫に乗り換えたなんて……今頃天国でやきもち妬いてるぞ」

「乗り換えたわけじゃないって! どっちも好きなだけ! お兄ちゃんだって他の犬と遊んだんでしょ?」

「そうだけど、お前は猫と遊んだんだろ? 俺は犬と遊んだから俺のほうがマシだ」

「いや、犬同士のほうがやきもち妬かない? 私のほうがマシだよ!」

「はぁ……本当、この兄妹はよくケンカするねぇ」



呆れた様子で溜め息をつく可南子をよそに、私は兄と口論しながら帰路に就いたのだった。
< 45 / 264 >

この作品をシェア

pagetop