褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
学校に到着し、校舎が違う彼と別れて教室へ足を運ぶ。

2年2組の教室は南館の一階の奥。
昇降口からは遠いけど、食堂と購買に一番近い教室なんだ。



「おはよ~」

「「おはよ〜」」



先に登校していたクラスメイト達に挨拶して自分の席に向かう。

俺の席は窓際から2列目の後ろ。
そして、左隣の窓際に座っているのが……。



「おはよう雪塚さん!」

「あ、おはよう」



朝から予習をしていた雪塚さん。
1年の頃からのクラスメイトで、美術部に所属する落ち着いた雰囲気が特徴の優等生。



「西尾くんはGWどっか行った?」

「景斗と犬カフェに行ったよ。それ以外はずっと家で服作ってた」



景斗も1年の頃からのクラスメイト。
長身で凛々しい顔をしたイケメンで、少々強引な部分はあるけど、明るくて素直な性格だ。



「いいなぁ。私どこにも行かずに家で絵描いてたよ。家族が『どこも混んでるから出かけたくない!』って言ってね……」



確かに。どこも混むよなぁ。

バスも結構人多かったし、高速道路が渋滞してたのもニュースで見た。



「なら、犬の写真見る?」

「え! 見たい!」
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