褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
「これ……勝手に撮ってたのか⁉」
「ごめんごめん! 面白かったからつい。大丈夫! 雪塚さん以外には見せてないから!」
顔を赤くして怒る景斗をなだめたものの、雪塚さんの名前を出したのが逆効果だったようで……。
「……俺に恥かかせようとしてんのか?」
「ち、違うよ! ただ雪塚さんを喜ばせようとしただけだって! ね! 雪塚さん!」
ブチギレ寸前の景斗に危険を感じ、慌てて彼女に助けを求めた。
「う、うん。西尾くんは楽しませようとしてくれただけだから……あまり責めないであげて? さっき見た写真は忘れるから……」
「あっ、いや……忘れろとまでは言ってないから。その……」
雪塚さんの返答にうろたえる景斗。
ここまでの流れを見て気づいた人もいるだろう。景斗は雪塚さんに恋心を抱いている。
本人に直接聞いてはないけど、他の女子達と話す時に比べ、彼女と話す時は明らかに態度が違う。
さっきみたいに顔を赤くしたり、攻撃的な口調が急におとなしくなったり、口元はすぐ緩むしで、非常にわかりやすい。
あまりにもわかりやすいから、本人にバレてるんじゃないかと思うくらい。
……多分、うっすら気づいているクラスメイトもいると思う。
「ごめん! 次からは許可取るから!」
「あ……いや、こっちこそ。朝っぱらから怒って悪かったな」