褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「もしかして具合悪かったから保健室行ってたの?」

「……違うよ」



ご飯をのどに流し込んで答えた。

余計な心配をかけたくなかったため、弁当を食べ終えた後に、今朝の出来事と更衣室を飛び出した経緯を説明。


なんともないとわかると、ホッとした顔を見せて長い溜め息をつき……。



「隠したくなるくらいクマが気になるならちゃんと寝ろ! 寝不足はお肌の大敵なんだぞ!」

「はーい……」



お説教を食らい、弱々しい声で返事をした。


GW中はほぼ毎日夜更かしして服作ってたもんなぁ。ベッドには夜中の3時に入った気がする。



「服作りが楽しくても、せめて12時には寝ろ。このままクマが消えなかったら、寝不足アイドルって呼ばれちまうぞ」

「うっわ、それは嫌だぁ……」



景斗は少し口調はキツいが、何気に俺の心が疲れてないか気遣いしてくれる。

テストが終わった日には、『パーッと気分転換しに行こーぜー!』と遊びに誘ってくれたり、時々相談にも乗ってくれたり。優しくて心強い存在でもある。



「嫌ならちゃんと休む! 心と体の健康のためにも!」

「はーい。気をつけます」
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