褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
可愛い嫉妬と醜い嫉妬
翌週の月曜日。



「え⁉ 兄妹でモデルやるの⁉」

「うん。あと服のデザインもすることになったの」

「デザインまで⁉ すごいじゃん! おめでと~!」

「ありがとう……」



登校中、合流した可南子に早速文化祭のファッションショーに出ることを伝えた。



「こりゃあ最前列に座ってバンバン写真撮って応援するしかないね!」

「写真撮るの⁉」

「もちろん! だって実玖が考えたデザインの服が出るんでしょ? 思い出に残さないと!」



ハッと気づく。

ファッションショーってあっという間に終わっちゃうから、何度も見返せるように写真や動画を撮る人もいるよね。

つまり、私のデザインした服が、誰かのスマホやカメラに保存されるということ。


「文化祭でファッションショーやってた」と写真や動画を友達や家族に見せたり、SNSに上げる人もいるかもしれない。

もしそうなったら……全国、いや、全世界の人が私の描いたデザインを目にすることになる。

自意識過剰かもしれないけど、今の時代、SNSで世界中の人と繋がれるし。
< 84 / 264 >

この作品をシェア

pagetop