褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
西尾先輩は褒めてくれたけど、外国人は日本人とは違う価値観や感性を持っているだろうから、
「何この服、変なの~」とか、「デザイン考えたの誰だよ」なんて思う人もいるかもしれない。
「なんか怖くなってきた……」
「いきなりどうしたの」
「もしSNSで、このデザインダサいねって言われたらどうしようって……」
「は? 何の話してるの? そもそも実玖は発信したことないでしょ。気にしなくていーの」
「ネガティブすぎ!」と怒られてしまった。
まぁ、SNSは見る専門だから取り越し苦労だけどさ。
「もし実玖にそんな酷いこと言う奴がいたら、私と景斗さんがぶっ飛ばしてやるから! ね! 景斗さん! って、あれ?」
隣を見ると、一緒に登校してきたはずの兄がいない。
さっきからやけに静かだなって思ったら……どこに行ったんだろう?
ずっと可南子と話してたから、邪魔にならないように先に行ったのかな?
「あ、いた」
可南子に肩を叩かれて振り向く。
「友達? 彼女?」
「多分友達。雪塚先輩っていって、お兄ちゃんのクラスメイトなんだ」