王太子殿下と王宮女官リリィの恋愛事情
アリス様がおっしゃることで、事態が予想以上に深刻だと知った。
「……あの大厄災が再現されたら不味いわね。みんな、いきましょう!」
ファニイ女王陛下のお言葉で、わたし達は先を急ぐ。
道中“闇”の兵士たちと遭遇した。
影がある場所にはどこにでも生まれ、特定の形がない厄介な敵だ。
サラさんの時に彼女の“闇”を浄化した経験が役立ち、自分のなかにある“闇”を利用してサクサク倒していける。
ファニイ女王陛下の援護をしていくうちに、“異形のもの”の出現も確認。
サラさんノートによると“異形のもの”というのは一見怪物(モンスター)に見えるけど、実は生命がある存在(もの)が“闇”に取り憑かれ、変化した存在。
つまり…元々はただの動植物や…はては人間ということ。
罪なき一般人が変化させられる場合も多い。
だから、殺生は禁物。
基本的に浄化を最優先にする。
「光よ…!!」
わたしは風で足止めをし、そのまま“闇”を浄化する。ファニイ女王陛下はさすがに慣れたもので、持っている武器に聖なる加護をつけてそのまま浄化していかれる。
案内してくれるアリス様を護りながらの戦いは正直しんどかったけど、広大で複雑怪奇な造りの鍾乳洞では彼女のサポートが無ければ迷っていたかもしれない。
だんだんと深い場所に向かうにつれ、“闇”が濃くなり“異形のもの”の数も増えてゆく。
そして彼女が足を止めた場所……地底湖がある広大な空間が、古代の祭壇がある……そして今回の陰謀の始まりとなった場所だった。