王太子殿下と王宮女官リリィの恋愛事情
そして、メイフュ殿下とわたしの結婚記念パーティーが開かれた。
正式な結婚式はまた後日催されるけど、ひとまず披露する意味合いで諸外国の賓客も招き盛大に開かれた。
「おまえが一番綺麗だ。堂々としていればいい」
詰め襟の白い服である王太子殿下の正装をされたメイフュ殿下も、すごく恰好よくて…。
本当に、この方の妃になれたのが夢のようだった。
「メイフュ殿下も素敵で……か、恰好よくて…その、は…恥ずかしいです」
この日のために、とわたしに作られたドレスは深い赤色。肌の色が濃いから薄い色は似合わない…そんなコンプレックスは、メイフュ殿下の選んだ生地で消えた。彼の思いやりが嬉しくてたまらない。
メイフュ殿下は軽くわたしに口づけると、にやりと笑う。
「……そんなかわいい事を言うなら、今夜は覚悟しておけよ?」
「し、しません!」
また、朝まで寝られないコースは勘弁してください…ようやく安定期に入ったのに。
フッ、と微笑んだメイフュ殿下はこう言ってくださった。
「クママルも、招待してる」
「えっ…」
「だが、リリィ。オレが愛するのはおまえだけだ。おまえしかいらない…だから、自信を持て。オレがそばにいる」
メイフュ殿下はギュッと、強く強く手を握りしめてくださった。
「はい……」