王太子殿下と王宮女官リリィの恋愛事情
もうひとつだけ、訊きたかった。
一番気になって…そして、懸念していたこと。
“殿下、わたしは……あなたの好きな人にそんなに似ていますか?”ーーと。
けれども、そのうち何も考えられなくなっていく。
わたしを組み敷いた王太子殿下が、時間をかけてゆっくりと熱を与えてくるから。
「リリィ…まだ、おまえが足りない…」
もう、頭と全身が熱で溶けそうだった。
焦げつきそうなくらいの熱さで、求められて…。
「リリィ…おまえはいなくなるな。オレのそばにいろ」
後ろから抱きしめられて、そんなふうに囁かれ……何度、王太子殿下はわたしに熱をくださったのだろう。
「……これで、おまえは離れられない」
何日目かわからない朝。気絶するように眠ったわたしを抱きしめ、王太子殿下は満足げな笑みを浮かべた。