白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
咳をしながら、無理して元気な声を出す直が愛しくて、すぐに飛んで行って抱きしめたいと思った。
俺のせいで、直に寂しい想いをさせてしまった。
俺の予想通り、直の家には友達は泊まりに来ていなかったし、直は、ちょっとした風邪ではなく本格的な風邪を引いていて、意識ももうろうとしているような表情だった。
怒ることなんてできないよ。
だって・・・直は俺の為に自分の気持ちを押し殺し、寂しさに耐えていた。
「治ったらお説教だぞ」
直は嬉しそうに目を細めた。
そんなに俺の説教が嬉しいのか?
直は、風邪がうつるからと言って俺に無理矢理マスクをさせた。
マスクをした俺の顔を見て、直は入学当時のことを思い出したらしい。
入学して間もない頃、俺が風邪を引いたことを、直ははっきりと覚えていた。
俺・・・愛されてんな。
俺・・・直をもっともっと大事にしなきゃ。