白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「熱があったので、アイスを持って来ました。じゃあ、失礼します。お大事にって伝えてください!」
寒そうに背中を丸めた要君は、爽やかに俺にアイスを渡して、その場を去ろうとした。
「あ、ちょっと待って!」
呼び止めてしまったのは、どうしてだろう。
どうしてなのかわからないが、俺は・・・ライバルである要君を呼び止めた。
「あ、ごめん。いつも直がお世話になってます。ありがとうございます。アイス、あいつ喜ぶと思います」
要君は、首を鳩のように前に突き出しながら、ペコペコ頭を下げて、余計なことしてすいませんと言った。
「じゃあ、失礼します」
去っていく要君の背中を見つめた。
俺は、どうして要君を呼び止めたのか。
俺が彼氏なんだぞってアピールしたかったのだろうか。
それとも・・・要君の気持ちがわかってしまったからだろうか。