白いジャージ3 ~先生とバージンロード~




「店に入るときに、車椅子のタイヤを拭いてくれって言われたことがあるんだって。その生徒は、相当怒ってたけど、そりゃ怒るよな・・・説明もなく、いきなりぞうきん渡されてさ」




「身近にいないと、なかなかわからないよね。私もわかってるつもりでいるけど、きっと実際全然わかってないんだと思う」





先生は、首を横に振り、お前は大丈夫だよと笑った。



「まだまだだな、日本も・・・」



先生は、自分のひざに肘を乗せて、フーっと深く息を吐いた。




私は、それ以上何も言えなかった。



私が『そんなのひどい』と言っても、その言葉が薄っぺらい気がした。





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