白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



「あ!彼氏さん来たんじゃないですか」



着付けをしてくれている美容師さんが、窓の外を指差した。


「来られましたよ」


もうひとりの女性が先生を案内して私の元へ連れて来てくれた。




「おおぉ!!すげーー!直・・・」



まだ帯もしていなくて、だらんと着物を羽織っただけの姿の私。



「恥ずかしい・・・出来上がるまで待っててよ~!」


先生の背中を押し、くるっと背中を向けさせた。




先生は、クリスマスに私があげた茶色いセーターを着ていた。


お正月に着ると言っていたけど、この日の為にと先生は成人式まで着なかった。




背中を見つめる。


・・・先生、似合ってるよ。


すごくかっこいい。




ありがとう、和人・・・




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