白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
時々振り向こうとする先生に、私は叫ぶ。
「まだーーー!先生後ろ向いてて」
着付けをしている女性が聞く。
「彼氏さんじゃなかったんですか?学校の先生ですか?」
「あ・・・違うんですよ。先生っていうのが俺のあだ名みたいなもんでね。彼氏なんですよ~」
先生は背を向けたまま言う。
「う・・・苦しい」
帯をぎゅっと締められると、声が出ないくらいに苦しくなった。
初体験。
「これ・・・食事とかできますか?」
「すぐ慣れますよ」
美容師さんは、もっと強く帯を締めてにっこりと笑った。
「はい!出来上がり。見てあげてくださいね」
先生に声をかける。
ゆっくりと振り向く先生。
隣でお母さんは、昔の私みたい、とはしゃいでいた。
「あ・・・」
先生は何も言わずに、私をチラっと見ると、立ち上がった。