白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
―ドンドン
車の窓を叩く音。
「直!!すっごい綺麗!」
窓を叩いたのはゆかりとたっくんだった。
「うわぁ!ゆかりも綺麗!」
ゆかりは薄い黄緑色の着物を着ていた。
「先生!一緒に成人式俺らも参加しちゃう?」
たっくんはゆかりのことが心配らしい。
「中田のことが心配なんだろ~!」
「そんなことないよ。先生こそ、直ちゃんが心配なんだろ?そういえば、直ちゃんのこと好きだった山田君と田中君と鈴木君も今日来るんだよな~」
たっくんは、そんな冗談を言って、先生をからかった。
「まじで言ってんの?誰だよ!山田って・・・」
先生・・・信じてる?
「先生・・・そんな人いないから安心して。たっくんの嘘つきぃ・・・」
先生は、まだたっくんの言ったことを信じているみたいで眉間にしわを寄せてホールの玄関をにらんでいた。
「どうしたの?先生・・・」
「え?俺の女に手を出すな光線を送ってる」
先生の言葉にゆかりもたっくんも爆笑してた。
先生・・・面白い。
大丈夫なのに。
直は先生しか興味ないんだよ。