白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「ナイス!!先生、いきなりストライク?」
俺の心を表すかのように、勢い良くボールが転がって、ピンは全部倒れた。
「たっくんのせいで、勢いついた」
たっくんもいきなりストライク。
「お前もイライラしてんの?中田も綺麗になったからなぁ」
「俺は安心してるよ。だって、ゆかりの元彼が誰だかわかってるし、ゆかりはずっと龍のことしか好きじゃなかったはずだし」
何も言えない。
だって、俺何も知らない。
直は誰が好きだったんだろう。
直も、俺の過去が気になると言うけど、肝心な話は聞かない。
例えば、七緒の母親とのこととか。
それはやっぱり俺と同じで、『聞きたいけど聞きたくない』ってことなのかも知れない。