白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
たっくんとこんな話をして10分ほど過ぎた頃だった。
ふと体を起こすと、はかまを着た男子が胴上げされていて、直も中田も嬉しそうにそれを見ていた。
直の隣には、知らない男がいて、仲良く話をしていた。
「迎えに来るって言ってた時間より早いから仕方がない」
「先生、大人だな。俺、我慢できなくなってきた」
同じだよ。
俺だって、本音を言えば・・・
すぐに直をここへ連れて来たい。
みんなの前に出て、『俺が彼氏なんだぞ』ってちゃんとわからせたい。
何、話してんだ?
隣の男・・・何、携帯出してんだ?
携帯番号聞くつもりか?
「あれ、山田君だろうな」
「いや、鈴木君だろう」
こんな冗談を言っても気分は晴れない。
首を横に振る直。
直の腕を引っ張る中田。
ほっとしてる俺。