白いジャージ3 ~先生とバージンロード~


迎えに来てくれた先生とたっくんとファミレスへ向かった。


車に乗り込むと、少しスネた顔をした先生がいた。


「先生?」


「変な男が直の近くにいたから、すっげー嫌だった・・・」




運転中の先生は、真面目な表情をしてそう言った。




「ごめんね。先生・・・嫌な思いさせてごめんね」



「いや。いいんだよ。俺が子供なんだぁ・・・最近ますます直に似てきたな、俺」




ファミレスに着いた。



「あのね、あのね!!先生!!同窓会しようと思うんだけど」



ゆかりが、メニューを見る前に切り出した。



「高校3年の?おう!嬉しいなぁ」



「そんな気楽に答えられても困るんだけど!いつまでも隠さなきゃいけない直がかわいそうだから・・・」



先生は見ていたメニューをパタンと閉めて、目を閉じて息を吸い込んだ。



そして、ゆっくりと目を開けた。



「そうだな・・・本当にそうだ。俺のせいでいつも直には我慢ばっかりさせてるからな」



そんなことないよ!と言おうとしたら、ゆかりが大声を出した。



「それは違う!!直は、我慢なんて思ってない。直は・・・直はね」



「ありがとう。ゆかり・・・そうだよ、先生。ゆかりが言ってくれた通り、私・・・すごく幸せだから」




先生は驚いた顔をした後、安心したようにふっと笑ってメニューに視線を移した。


< 198 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop