白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



先生は入口付近にいた男子と話しながら、渡されたオレンジジュースを一気に飲んだ。


遠くから見つめる。


先生・・・よみがえってくるね、あの頃が・・・

こうしていつも、先生を見つめていた高校時代。





先生を見つめる。



そして・・・私と同じように先生を見つめる瞳。


荒木さんの存在を忘れることはできなかった。




荒木さんは、ここに来てからずっと明るく振舞っていた。



心の中は・・・

どんな風になっているんだろう。



髪を染めて大人っぽくなった荒木さんは、いろんな男性が寄ってきそうなタイプに見えた。



でも・・・忘れてないんだね、荒木さん。


あなたも先生が好きなんだね。



辛くて見ていられなかった。



だって、荒木さんの目ははれていた。


それなのに、ずっと笑って、明るく話していた。




胸が痛いよ。





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