白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
直は、同窓会で荒木と2人きりで話をして欲しいと俺に頼んだ。
俺は、断った。
高校3年の後半、直がどれほど辛かったか俺は知ってる。
直は、毎日俺に付きまとう荒木を見て、何度涙を流したのだろう。
「できねぇよ。俺・・・お前が一番大事だから」
俺は直を抱きしめて言った。
直は笑う。
「私はこれから先、ずっと先生に大事にしてもらえる。だから、大丈夫。5分くらい・・・へっちゃらだよ」
「直・・・お前は」
直には、我慢ばかりさせていた。
高校3年になってからは、荒木の存在が直を苦しめた。
彼女なのに、俺に近づけず・・・
荒木には担任として接していたつもりだったが、荒木はどんどん積極的になっていった。
何度も告白され、そのたびに断り、俺には大事な人がいるということも言った。
それは直には言ってないけど。
直は、荒木を憎むどころか、荒木の気持ちを考えるとかわいそうだと言った。