白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
夏休みを前にして、学校では就職の話題ばかりだった。
特別養護老人ホームへの就職を希望している要君は、悩むみんなの相談に乗ってばかりだった。
みんなが悩んでいる中、もう随分前から就職先の希望が決まっている要君。
同じ歳だとは思えないくらい大人に見えた。
「直っぺは、どうすんの?」
最近髪を茶色く染めた要君は、ますますモテているらしい。
「う~ん・・・自分でもわかんないんだ」
ため息をつく私に要君はアメをくれた。
「まぁ、気楽に行けって!これでもなめて、元気出せ!!」
今、ふと考えてしまった。
もし、先生に出会っていなかったらって。
今、先生という存在がいなかったら、私は要君への感情を「恋」だと勘違いしてしまっていたかも知れない。
あんなに激しい胸のドキドキや、眠れないくらいの胸キュンを・・・
知ってしまった。
だから、わかる。
要君へのこの気持ちは「尊敬」や「憧れ」、完璧にそれは友情なんだって。
どことなく先生に似ている口調や、態度が時々私をドキっとさせるんだけど。