白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
海
「お!!貸切だぁ!!」
先生は車のライトを上向きにして、海岸を照らした。
誰もいない海。
まるであの夜のよう。
初めて先生と結ばれたあのクリスマスの夜。
「そのコート懐かしい」
先生はコートを滅多に着ない。
あのクリスマスの夜、海岸を歩く黒いコートの先生にきゅんきゅんしたことを思い出す。
「直、これでもう堂々と手を繋いで歩けるな」
「うん。ありがとう」
先生は、片手をコートのポケットに入れ、もう片方の手を私に差し出した。
ひんやりとした私の手が、先生の手の温もりで温かくなる。