白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「気付いてた。人込みで俺が手を繋ぐと、直はビクっとするんだ。無意識に、視線を気にしてたんだと思う。本当に辛い想いをさせた」
先生は、私の指の間に指を入れ、ぎゅっと手を握った。
「辛くないよ。私・・・本当にずっと幸せだったから」
先生は、そう言うと思った、と言って笑った。
砂浜は寒さのせいか少し湿っていて、歩きやすかった。
波の音が心地よくて、いつまでもこうしていたいと思った。
先生となら、どんなに長い時間歩いていても退屈しない。
「今日は俺と直の新しいスタートの日だな。ってことは・・・」
急に立ち止まった先生は、お得意のニヤリ顔をして私を抱きしめた。