白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



「あゆみ、本気で好きなんだね。要君のこと」



私はチラっとあゆみの方を見た。


あゆみは、自分の靴の先を見ながら答えた。




「最初はね、寂しいから身近な人を好きになっちゃえって感じだったんだ。前好きだった子が留学しちゃったからそれが寂しくてさ。でも、気付いたらテルのこと、本当に好きになってた」



付き合いかけの男の子が海外に留学すると決まったとき、あゆみがショックを受けていたことを思い出す。


彼のことも本当に好きだったよね、あゆみ。



「テルはね、知れば知るほど魅力が出てくるタイプなんだ。だから、いつか直もテルを好きになるんじゃないかってずっと思ってた」



「その気持ちはわかる。私もいつもそう思ってる。先生のことを好きになる生徒がいるんじゃないかって、心配で仕方ない。本当に好きになると、その人が素敵に見えるからそう思うのは当たり前だよ。でも・・・私は先生だけしか好きになれない」



あゆみは、うんうんって頷きながらため息をついた。


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