白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「そうだよね。わかってんのに。直は、先生一筋ってわかってたのにね。それでも直を好きになったテルってバカだよ」
「いつから気付いてた?」
私は、ここまで来たら、あゆみの心の中のモヤモヤを全部聞きたいと思った。
すれ違う人が振り向くほど、私達はゆっくり歩いていた。
「結構前。あいつ思わせぶりだけど、直にはちょっと違ってたんだよ。でも、まさかそこまで好きだとは。直にフラれた後に話したんだけど、テル・・・泣いてたんだ」
知らなかった。
要君、泣いてたなんて。
あゆみと要君がちゃんと話をしていたことに少しほっとしてる自分もいた。
「あと1年は誰とも恋愛しないって言われた。でも、私・・・まだ好きなんだよ。だからこんな気持ちのまま、直達のグループにいることはできない」
「何言ってるの?直達のグループなんて言わないで・・・あゆみと桃子と美穂と私と・・・要君、みんな一緒にいてこそ、あのグループなんだよ。あゆみがいないと・・・もうあの仲間には戻れない」
あゆみはびっくりした顔で私を見た。
「直が怒った!!何だか、新鮮!!初めて見たかも」
「ちょっと~!真剣に言ってるのに!!」
あゆみはケラケラと笑い出した。
久しぶりに見るあゆみの笑顔に、私は涙が溢れた。