白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「で、どうしてあんたがいるの?」
あゆみが冷たく声をかけたのは、最近要君と一緒に行動していた同じクラスの真崎慎司だった。
「うっせーよ。お前は黙ってろ」
真崎君は、私達より2歳年上で近寄りがたい雰囲気の人だった。
元暴走族にいたとか噂が出て、本人もそれを認めていたっけ。
パッと見はかっこいいんだけど、話し方が怖くて女子とはあまり話さない。
唯一話すのがあゆみ。
実習先の老人ホームが同じだったこともあって、あゆみは真崎君と仲が良い。
・・・というか犬猿の仲?
「あんた、邪魔」
「お前こそ邪魔。俺、要とデキてるから」
あゆみに自慢するように、要君の肩に手を回す。
「ひげが痛いよ、お前」
頬をすり寄せられた要君は、真崎君から逃げるように立ち上がる。
「ふふふ。いいだろ~!俺と要の邪魔、しないでね」
ニヤリと笑い、あゆみを見る。
どうやら、真崎君はあゆみの気持ちを知っているらしい。
何はともあれ、真崎君のおかげでグループが復活したようだ。
以前のような穏やか5人組ではなくなったけど、不思議な6人グループができた。