白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
私と美穂はびっくりしすぎて、大声を上げた。
その後に、美穂はため息をついた。
「気付かなかった・・・あんなに一緒にいたのに」
要君よりもずっと長い時間あゆみと一緒にいたのに、全く気付かなかった。
私はあゆみは今でも要君を想っていると思っていたし、美穂も真崎君とあゆみは仲が悪いと思っていた。
「俺はあゆみに想われていたからこそわかる。今のあいつは俺を好きじゃない」
要君の言葉に重みがあって、私も美穂も今までの出来事を思い出す。
そういえば・・・
バレンタインも、真崎君に渡すチョコに時間をかけていた。
要君にはシンプルなハートだったのに、真崎君にはブタの形のチョコを作りたいと悪戦苦闘していた。
いつも真崎君の文句を言っていたけど、そう言えば真崎君の話ばかりしていたっけ。
「真崎君の気持ちはどうなんだろう」
「さあな・・・」
要君は、体育館の出口付近を見つめたまま、微笑んだ。