白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「要君・・・私の方こそ、ごめん」
「俺さ、結構引きずるタイプだから苦労したけど、もう吹っ切れた。ちゃんと、直っぺと先生の結婚を祝えるから。だから、変な気を回さずに・・・結婚式呼んでくれよ」
要君は寒いはずなのに、袴の胸元を開けて体に風を送り込む。
要君を結婚式に呼んでいいのかどうか、悩んでいた。
先生の気持ちも要君の気持ちも・・・複雑だと思ったから。
「ありがとう。好きになってくれて嬉しかった」
心からそう思う。
要君が本気でぶつかってきてくれたこと、嬉しかった。
いろんな発見があり、成長できた気がする。
「俺も、直っぺを好きになって良かったよ。まぁ、俺かっこいいからすぐに彼女できるし」
要君の背中を笑いながら叩いた。
「美穂のヤツ、俺と直っぺを2人きりにさせようとしてくれたんじゃないかな」
美穂・・・
あれからゆっくり要君と話していないと相談していたから、気遣ってくれたんだ。
体育館に戻ろうと歩き出した時、トイレから美穂が走ってきた。
「美穂、ありがとね」
「桃子探しに行こっか」
美穂は、要君が背中を向けるとこっそり私に言った。
「ちゃんと話せた?」
美穂の優しさのおかげで、ちゃんとすっきりと気持ちを言い合うことができた。
要君とも、ずっと友達でいられる気がした。