白いジャージ3 ~先生とバージンロード~


私と美穂と要君は、白い息を吐きながら夜の校舎に足を踏み入れた。



「もう卒業かぁ・・・」


「早いね」


「寂しい・・・」



電気がついている教室を見つけて、私達は足を止めた。


「翼先生と会えたのかな、桃子」




廊下で立ち止まり、窓から外を見た。




「あ~あ。カップル成立か」




要君の言葉に、私と美穂は要君の視線の先を見た。



そこには、2人で歩くあゆみと真崎君の姿があった。


あんなにケンカばかりしていた2人が・・・

手を繋いでいた。





なんだか泣けてくる。


素敵なカップルが誕生した。




辛いことの後には、やっぱり幸せが待っているんだ。


あんなに辛い失恋をしたあゆみが、新しい恋を見つけた。




真崎君もあゆみのこと・・・好きだったんだろうな。



ケンカするほど仲が良いって言うもんね。


面白いカップルになるだろうなぁなんて思いながら、私は美穂の肩に頭を乗せた。





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