白いジャージ３ ～先生とバージンロード～

「緊張したね～」


声をかけてきたのは、同じ課に配属された新入社員の山内沙織だった。


「今日からよろしくね。雰囲気のいい会社だね」


「うんうん。矢沢さんだったよね。よろしく！」


嬉しい予感。


この子は、私の大事な人になる。



そう感じたんだ。

ゆかりや依子、そして、専門学校の仲間と同じように私の大事な友達になるといいな。



私に用意された机は、とても綺麗で新品のようだった。

たくさんの文房具が机の上に置かれていた。


隣に座っていた先輩は、わからないことは何でも聞いてねと優しく微笑んだ。


良かった。

ここが、私の大好きな場所になるといいなぁ。


4月から5月までの1ヶ月は研修が続き、5月から病院や老人ホームへも行けるようになると言っていた。


私は隣にいた先輩に聞いてみた。



「あの･･･5月に結婚するんですけど、いきなり休暇を頂くことはできるんですか？」



入社してすぐ結婚なんて良く思われないんじゃないかと心配だった。


「あ！聞いてるよ。矢沢さんだったんだね。すごいね～！！おめでとう！うちの会社、結婚とか出産には理解あるから大丈夫！産休もバッチリ取れるから」



先輩の温かい言葉にほっとした。


肩までの髪はパーマがかかっていて、肌が綺麗な人。


「私も結婚してるから！」


「そうなんですか！？」


私より少し上くらいに見えた先輩は、２６歳で去年結婚したばかりらしい。


真由美さんと呼ばれていて、みんなから慕われていた。