白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「来年の5月でしょ!?もうすぐじゃん!結婚!!」
美穂は、タカも学生だから、結婚はもう少し先になりそうだと、ちょっと寂しそうに呟いた。
就職の相談をするはずなのに、私達はそんな話ばかりしていた。
でも、店を出た私達は少し心が軽くなっていた。
店を出てすぐに見えた夕焼けがとても綺麗で、2人ではしゃぎながら、その方向に走った。
わからない。
未来のこと。
でも、ずっとずっと隣には先生がいてくれる。
だから大丈夫。
結婚するから、適当にって就職先を決めるんじゃなく、ちゃんと決めたい。
それは、先生が一番望んでいること。
「教師」としての先生が、「生徒」の私に望むこと。
だから、真剣に悩んで、真剣に答えを見つけたい。
その夜、私はぼんやりとした目標を見つけた。
私の心には、ある人の笑顔が浮かんでいた。
・・・おばあちゃん。
会えなくなっても、いつもそばにいる大好きなおばあちゃん。
辛いことがあると、いつもおばあちゃんを思い出して、笑顔を取り戻していた。