白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
先生が生活指導の担当になって何よりも悲しかったのは、体育教官室にいる時間が少なくなること。
いつも体育教官室にいた先生が、生活指導室で1日のほとんどを過ごす。
そのことが寂しかった。
「思い出の教官室なのに・・・寂しいな」
「俺、担任だし、体育の授業多いから体育教官室にも結構いるぞ?」
私が高校生だった頃から時間が経ち、変化があるのは当たり前なのに。
その変化が寂しくなったりする。
誰かが転勤したとか、誰かが新しく来たとか、そういう話は私の胸をざわざわさせる。
「喜多先生に生徒の指導は任せちゃってるから、俺は今までと何も変わらないよ」
喜多先生と言うのは、この4月から高校に入ってきた新しい先生。
写真を見せてもらったんだけど、とにかく怖い感じで、先生以上に貫禄がある。
「あの先生は、俺より厳しいから。今までは学校の中で俺が一番怒る回数が多かった気がするけど、今は少し楽かな」
怖そうだけど渋くてモテそうな喜多先生。
きっと、生活指導室に呼び出される生徒は、ドキドキしちゃうんだろうな。
雰囲気の違う2人の先生。
『私は新垣派!』
『私は喜多派!』
なんて派閥ができそうな気がする。