白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
「喜多先生と一緒にいると、目立つよね。イケメン2人・・・」
先生は、ばーかと言って私の頭をコツンとした。
「前の高校で、気にかけてた生徒がいるらしくて。その子は、喜多先生以外に心を開かないらしくて、その子のことをすごく心配してる。忙しくても、ちゃんとそうやって考えられるって尊敬するんだよな。俺もあんな教師になりてぇな・・・」
時々先生が話してくれる『理想の教師像』は、喜多先生っぽい感じだった。
私にあまり学校での話はしない先生だけど、こうして話してくれる時はとても熱くて、目が真剣で、感動しちゃう。
改めて、「教師」の新垣和人が好きだな・・・なんて思うんだ。
「もし、先生が私を残して転勤しちゃったら・・・喜多先生みたいに私を心配してくれた?」
転勤があるかも知れないと先生から言われた時のことを思い出す。
先生は言ってくれた。
――お前みたいな生徒置いては行けないよ・・・って。
あのドライブの夜のことは一生忘れない。
「当たり前!!」
先生はため息まじりに微笑んで私の頭をぐいっと引き寄せた。