白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
先生は、車を駐車場に停める為に助手席の後ろに手を回す。
「それ、ドキドキする」
先生は至近距離で私を見つめて、怒ったように頬を膨らます。
「俺以外にドキドキすんなよ」
先生はわざといつもよりも顔を近付けながらバックして、車を停めた。
「直、あと1ヶ月だって知ってた?」
先生との今日のデートは、家具屋さん。
「本当だぁ!ちょうど1ヶ月後の今日が結婚式だね」
「あぁ、何だかあっと言う間だな」
先生は、家具を見ながらしみじみと言う。
「今のベッドでもいいんだけど・・・」
私は、新しいベッドを選ぶ先生を見ながら呟いた。
「ちょっと小さいだろ?」
「でも、今のベッドに思い出いっぱいあるから」
先生は大きなダブルベッドに腰掛けながら、私を見上げた。
「直のエッチ~!新しいベッドでもいっぱい思い出作れるからいいだろぉ~」
新しいものを買う時は、嬉しさと共に寂しさも生まれる。
今の赤い車を買ってもらった時も、嬉しかったけど、前の車での思い出がなくなるようで寂しかったりした。
でも、今の赤い車でたくさんの思い出を作って、今では大事な宝物になっている。