白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
花びらのなくなった桜の木が見える。
春を迎えて嬉しそうに咲く野の花。
「お母さん、どうしてここに?」
お母さんは、高校の校庭が見える場所に車を停めた。
「懐かしいでしょ?高校の頃、ここから先生のこと見てたんでしょ?」
「うんうん!!懐かしい!」
私は、先生が校庭のどこにいてもすぐに見つけることができた。
いつも先生を見つめていたんだよね・・・
「あ!!先生だ!」
「やっぱりあのジャージ着てるのね~!」
先生は、チャイムが鳴る前に校庭に出て、生徒と話していた。
腕に出席簿を挟み、ポケットに手を入れて…
昔と同じように笑っていた。
「好きになるわよね。あんな体育の先生がいたら」
お母さんは、先生に見とれる私を見ながら笑った。
春の暖かい日差しが体に降り注ぐ。
先生は、太陽の光を全部集めているように、輝いて見える。