白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
玄関からお母さんの声が聞こえた。
「直~!!!ゆかりちゃんよ」
私は、急いで手を洗い玄関へと走った。
「直~!!!とうとう明日だね。緊張してるかなと思って顔見に来た」
玄関には、笑顔のゆかりがいた。
ほっとした。
私の頭をそっと撫でたゆかりは、泣き出しそうな私の顔を覗き込んだ。
「これね、あげる!手紙書いたの」
「えーー!ありがとう。でも、絶対泣いちゃうよ・・・」
私の顔を見て、ゆかりも泣きそうになっていた。
「あ~だめだめ。泣かないでね。明日、かわいい顔で結婚式出て欲しいから」
「ありがとう。ゆかり~!大好き・・・」
ゆかりのおかげだね。
ゆかり・・・ありがとう。
今まで頑張ってくることができたのは、ゆかりがいたからなんだ。
最初に先生を好きだとゆかりに話したのは高校の屋上だったね。
ゆかり…
いっぱいいっぱいありがとう。
「依子に無理しないように言っておいてね。お腹大丈夫かな?」
「体調良いみたいだよ。ちゃんと私が見てるから安心して」
6月末が予定日の依子。
大きいお腹で頑張ってくれていた。
「じゃね!!また明日!!」
「ありがと・・・・・・」
私は、半泣き状態のゆかりに手を振り、台所へ戻った。