白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
結婚式を明日に控えて、俺はいろんなことを思い出していた。
本当に結婚できるなんてな・・・
あの頃から結婚を夢見ていたけれど、正直言うと・・・自信はなかった。
ここまで無事に来ることができたのは、俺達2人の力じゃない。
本当にいろんな人にお世話になった。
家に帰ると、部屋の前に中田とたっくんが座っていた。
「おう!待ち伏せか?」
俺の姿を見て、たっくんが俺に握手を求めた。
「とうとう明日じゃん。先生、俺泣いちゃうって」
よくよく考えるとたっくんは俺の生徒じゃないんだよな。
いつの間にか、教え子のようにかわいい存在になっているけど。
まぁ、思い出したくないけど直の元カレなんだっけ。
「先生~!!明日頑張ってね!」
「中田のおかげだよ。いつもありがとな」
中田は、直を幸せにしてくれればそれでいいんだよって笑った。
5月の夜風は胸がきゅんとする。
暖かいのに、夜になると風がちょっと冷たい。
お茶でもどうかと言ったが、行くところがあるからいいと言った。
行くところ・・・ってきっと直のところだろうな。
「じゃあ、明日よろしく頼むな」
「任せといて。2人のこと泣かせるからね。二次会と三次会楽しみにね」
本気で、泣いちゃいそうだ。
中田と里田が企画してくれた二次会。
三次会は、たっくんと龍までもが手伝ってくれるという。
二次会の場所は明日結婚式が終わるまで内緒なんだってさ。
忙しいのに、必死で頑張ってくれたんだ。
すげーよ。
あいつらの友情は。
明日の準備をしていると、涙が出そうになってくる。
思い出が多すぎて、何度も手を止めて思い出を振り返った。