白いジャージ3 ~先生とバージンロード~



私達の座るテーブルの前に立ち一礼した後、先生は小声で言った。



「緊張するなぁ・・・」


「ドキドキするね」


「あぁ、でも幸せだな」




運ばれてくる料理も、テーブルの上の花も・・・全部ふたりで考えた。


楽しかったね、先生。





ケーキ入刀は、緊張しすぎて手が震えた。


だって、みんなすぐ近くまでカメラ持って集まってくるんだもん。



どの写真も全部焼き増しして欲しいなぁ。


だって、いろんな表情の先生の写真が欲しいから。


また『新垣和人写真集』ができちゃうね。




先生の親戚のおじさんの乾杯の音頭で始まる。




高校の先生の集まるテーブルに・・・


見覚えのある笑顔が。





仕事で教会の式には出られないが、披露宴には参加してくれると言っていた教頭先生だ。




目が合うと、教頭先生は目頭を押さえた。




教頭先生は、生徒から慕われる理解のある女の先生だった。

私も大好きだった。



そのテーブルには、知らない年配の先生がふたり、そして・・・


『喜多先生』であろう先生が・・・どっしりと座っていた。





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