白いジャージ3 ~先生とバージンロード~
ゆかりとたっくんは車に乗り、私と先生だけ校門の前で下ろされた。
「先生と直は、この坂を走っておいで~」
この坂。
遅刻しそうになった私と一緒に走ってくれた先生。
あの時も白いジャージを着ていたね。
私を追い抜かした先生は、にっこり笑って振り向いてくれたっけ。
あの時、先生の背中がとても遠く感じた。
その背中に追いつきたい・・・
そう思って、走った。
「直、走るか?」
「うん!!」
先生は、軽々と坂を上っていく。
「矢沢ぁ~!!早く走れ~!負けたらバツゲームだぞ」
あの日と同じセリフ。
同じ笑顔。
先生も覚えていてくれた。
何年経っても色褪せない思い出。
「待って~!先生!!」
私は懐かしい制服姿で坂道を走った。
大好きな背中を見つめながら・・・